【過去問解説(経営法務)】R2 第11問 不正競争防止法等

今日は経営法務のR2第11問について解説します。

R2 経営法務 第11

  以下の会話は、D株式会社の代表取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

甲 氏:「今年も暑く、ファン付き作業服が好調です。特に、この春に発売した新商品『トルネード』が大ヒットしています。」

あなた:「強力に冷却される感じがして、良いネーミングですね。」

甲 氏:「困ったことに、ライバルメーカーが早くも『トーネード』なる名前を付けて同種の作業服を売り始めています。なにか対策を考えないといけないと思っています。」

あなた:「まずは商標登録出願すること、そして不正競争防止法 2 条 1 項 1 号に規定する商品等表示の不正競争行為として警告することが考えられますね。」

甲 氏:「商標登録は登録まで時間がかかりますよね。のんびり待っていられないので、不正競争防止法だけで対策したいと思いますが、どうですか。」

あなた:「今回主張できると考えられる不正競争防止 法 2 条 1 項 1 号 は、【 A 】 を自ら立証しなければなりませんから、その労力がとても大きいのです。今回、相手の作業服と御社の作業服は商標法上、同一商品といえるでしょう。そのため、商標権の行使であれば、御社商標「トルネード」と相手商標「トーネード」が 【 B 】 と認められれば侵害になりますから、商標登録して商標権を取得することが賢明だと思います。使用している商標が模倣された場合、商標登録の早期審査を請求できる場合があるようです。」

甲 氏:「そうなのですか。登録に時間がかからないなら、商標登録も考えてみます。」

あなた:「もしよろしければ、商標を得意とする特許事務所を紹介します。」

〔解答群〕
ア A: 御社商標が需要者の間に広く認識されていること、及び御社商標と同一若しくは類似の商標を付した相手商品が御社商品と混同を生じさせること
B:需要者に混同を生じさせる

イ A: 御社商標が需要者の間に広く認識されていること、及び御社商標と同一若しくは類似の商標を付した相手商品が御社商品と混同を生じさせること
B:類似する

ウ A:御社商標が著名であること
B:需要者に混同を生じさせる

エ A:御社商標が著名であること
B:類似する

解説

不正競争防止法と商標権に関する問題です。条文の詳細を覚えていくのは試験対策をとして無理がありますので、まとめシートに記載の要点から正答を類推していくようにしましょう。まとめシートに記載の通り、不正競争防止法では周知混同惹起行為がポイントになります。

・不正競争防止法 2 条 1 項 1
一 他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

商標権は、まとめシートに記載の通り自社の商品・役務を識別するの能力を持つことを主要な効力要件としています。

・商標法 第37 条1(侵害とみなす行為)
次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。
一 指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用

以上から選択される解答は

A: 御社商標が需要者の間に広く認識されていること、及び御社商標と同一若しくは類似の商標を付した相手商品が御社商品と混同を生じさせること
B:類似する

となり、正解は選択肢イとなります。

 

 

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